木曽川の源流、御嶽山に登る

先月は木曽川の源流にあたる御嶽山に登頂してきました。

御嶽山は長野県と岐阜県の県境にあたり、3067mの複合火山です。
その歴史は非常に長く、霊山信仰の地としても有名です。

日本の山の中でも「山は富士、嶽は御嶽」と呼ばれ、広大な嶽が広がっています。

今回の目的は木曽川の源流の地である御嶽山を体感することで、御嶽山からの水の恵みを
理解することでした。


登山の途中には白骨林なども存在しており、非常に面白い風景が広がっておりました。


また当日の天気も素晴らしく、そして途中にある山小屋が何とも言えない雰囲気を
出していました。まるでジブリに出てくるような風景でした。


そして何と言っても素晴らしいのは、山頂付近にある池にあります。
写真は三之池ですが、広大な火山湖が山頂付近に広がっております。

ちなみにこの水は飲むこともでき、信州の名水・秘水の一つに選ばれております。


こちらの写真は二之池で日本で最高所にある池になります。
エメラルドの色の池が広がり、自然の雄大さを感じさせます。


また御嶽山は高山植物も様々な種類が群生しており、登山の一つの楽しみでもありました。


山頂にて

今回往復6時間以上の登山でしたが、本当に感動の大い登山でした。
信州の山脈の持つ雄大さとまた御嶽山の水の恵みを理解することができました。

これから木曽川流域の木材をPRしていきますが、今後はこの御嶽山から体感したことを
仕事に活かしながら、頑張っていきたいと思います。








| 井上 将太 | 林業、建築 | 21:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
北山杉の本仕込み

先週は京都北山にて、磨き丸太の伝統的な製造方法である「本仕込み」を見学してきました。

北山丸太とは和室の床柱などに使われる高級材のことで、直円の磨き丸太や模様の入った絞り丸太などの種類があります。

その製造方法の中で、今ではほとんどやられていない方法として、「本仕込み」というものがあります。
これは伐採した丸太を山で立たせたままの状態で皮を剥き、天日で乾燥させるもので、普通の天然乾燥よりも色つやが良くなる方法であるということです。


北山の林業は密植をして成長を遅く、そして上(元)と下(末)の太さを一定にしていきます。
一般的にはこの後、伐採を行い、天然乾燥と言って伐ってから乾燥をさせることが一般的です。


本仕込みでは伐採期間になると木と木を組み、そして組んだ状態で、木の川を剥いていきます。
これはまさに職人芸でした。


写真ではわかりにくいのですが、この木は50年以上の木で30m以上の高さが
あります。この景色は非常に壮観でした。


このような危険で大変な作業であるからこそ、綺麗な磨き丸太が完成するのです。

木材の価値として伝統や文化というものが少しでも引き継がれて欲しいものです。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 20:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
加子母の地域一体林業

先月は木曽の林業の見学をしてきましたが、今月はその木曽の反対側である裏木曽と呼ばれる加子母に行ってきました。

加子母地域も先月の木曽と同じように、江戸時代には尾張藩が納め、木曽五木と言われる5種類の木材の伐採が禁止された地域で、こちらは木曽ヒノキではなく東濃ヒノキと呼ばれる優良のヒノキの生産の地とされています。

地域の50%は国有林なのですが、半分ある民有林のうち70%ほどはヒノキを植えており、ヒノキ中心の産地が加子母の特徴です。


複層林

珍しい点としては地域に素材生産業者が少なく、森林組合が比較的管理を行ってきたことがあります。
そして歴代の村長も非常に林業に対して積極的であり、路網も整備されhaあたり40mの路網密度があるとのことです。

インフラが整い木が出しやすい地域だと言えます。
現在の素材生産量は1万㎥ほどということで地域内には10数件ほどの製材があるとのことでした。


東濃ヒノキの特徴としては目が詰まっていることと、赤身が綺麗なことが特徴と説明をうけました。
確かに目混みで素直な原木がありました。

加子母といえば有名なのは産直住宅です。

一般的な産地の産直住宅と言えば製材所などが都市部の工務店や設計事務所と組みながら
家づくりを推進しますが、加子母の場合は地元の工務店が産直住宅を推進し、それを行政もサポートをしています。

中津川の産直住宅
http://ひのき.com

具体的には中津川市産直住宅振興会という会を作り、この組織を中心としながら各工務店が家づくりを愛知県などで進めているとのことでした。

川上にある工務店が川下で産直の家づくりを推進していくことは非常に面白い取り組みであり、
やはり尾張藩であり、文化的な結びつきも深いということもあったのではないかと思いました。

次回は川下を中心にしっかりと加子母のことを理解していきたいと感じました。



| 井上 将太 | 林業、建築 | 20:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
2013年度地域型住宅ブランド化事業

2013年度の地域型住宅ブランド化事業の募集がスタートした。

http://www.jutaku-s.com/news/id/0000018583


この事業は国交省に対して、川上(林業)〜川下(建築)までのグループを作り、そのグループで
地域独自仕様の工法やソフトを作り上げたグループに対して最大1棟あたり100万円の補助を与える事業である。

昨年から実施され、中小の工務店への支援として注目がされた。
ただ先に目標施工件数を出してから、施工を実施するために、昨年は目標件数を達成できていない団体も多くあったのではないかと思う。

既に動いていたグループならまだしも、この事業のために早急に作ったグループなどは補助金の使用に
対してハードルが高かったり、また建築の仕様を細かく設定しすぎて実現可能性が低いことなどもあったと思う。

今年は2年目ということもあり、既存の団体は昨年からのステップアップが必要とされるようなことも予想できるが、木材利用ポイントなどとも併用は可能であるということもあり、うまく活用できれば非常に追い風である事業なのは間違いがない。

この事業のポイントとしては地域型住宅の仕様を‐暖饉圓離法璽困鯊えた住宅であり、∋斗佑鮑戮く設定しすぎずに自由な部分を残し、小回りのきく、資材・木材の供給業者と組むという視点が必要ではないかと思う。

この事業の〆切は6月24日ということで時間もないために、利用したい団体は早急に動く必要がある。
この事業や木材利用ポイント制度が推進役となって、少しでもお施主様の満足度の高い木の家が広がって欲しい。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 22:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
木のお金 地域通貨マーレ

飛騨経済新聞で下記の記事が掲載されていた。

高山で地域通貨「マーレ」発行へ−「木のお金」製作急ピッチ
http://hida.keizai.biz/headline/438/

何でも間伐材を活用した地域通貨で地域のイベントで使用可能できるとのことである。
発想も面白いし、木そのものを通貨に見立ててお金を製作していることはとてもインパクトがある。

間伐材利用という理念ばかり先行しすぎて、あまり必要性のない商品を作るよりは
何か楽しみながら訴求できる商品や企画の方が良いが、この取り組みはとても面白いと思う。

一枚、一枚作るのは大変なので、レーザー加工機などで切抜きができれば、大量の生産も
可能な気がする。

木の町とPRしている町村では一部で良いので木のお金が流通していても良いのかもしれない。
木を貴重な資源と考える感性があるからこそ、貴重なお金に見立てることができるのではないであろうか。

このようなアイデアを将来、自分自身も生み出していきたい。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 19:15 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
最後の高級材ブーム

昨日の日経新聞の記事で下記のようなものがあった。

国産高級木材が品薄に 木曽ヒノキは5年で7割高
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ2501G_V20C13A3QM8000/

いわゆる日本三大美林と言われる青森ヒバ、秋田スギ、木曽ヒノキの3種類の木材が品薄になり特にヒノキの価格が上がっているということである。特に今年は伊勢神宮の遷宮など需要が見込まれる行事もあり、需要増が続いている。単価も30万/㎥を越えているということである。

高知県でも白髪山のヒノキやヤナセ杉など人工及び天然林の高齢木を加工してきた歴史があるが、今はほとんど伐採がされていない。この高級材を活用した林業の資源枯渇による最後のブームということである。

今は並材が主流と言われているが、ここ数年で銘木の林業から並材の林業に完全に切り変わる時に来ているのではないかと思う。

「売上=単価×販売数」

銘木の林業は単価を上げる林業、並材の林業は販売数を上げる林業であった。販売数を上げる林業は大きな資本を持つ企業が有利になることはわかるが、再び単価を上げるにはどうしたら良いかと考えることは今後、とても大事な視点だと思う。

林業の世界も6次産業化(1次産業×2次産業×3次産業)が必要と言われるが、何でも良いので単価を上げる質の林業がこれからの重要なことだと感じる。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 13:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
木材利用ポイント

今年の4月より「木材利用ポイント」がスタートする。

これは一時期に家電などにエコポイントが付いた政策があったが、その木材版で、国産材を使うとポイントが付き、木製品や農産物などと交換できるというものである。

細かい制度の中身は出ていないが、「木造住宅」「内装などの木質化」「木製品、ペレット」の利用などの3項目が対象となっている。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/point/index.html

予算としても410億円が計上されており、仮に一人が30万円のエコポイントをもらっても、136000世帯の分の予算となっている。(おそらく事務局経費などで全てが計上されることはないが)

これは需要を拡大させる意味では大きな政策であると思うし、エコポイントの対象商品にしてもらうことも一つビジネスチャンスになるのではないかと思う。

ただやはり消費者が欲しいと思う魅力的な交換商品であったり、周知がとても必要。
あくまで一つの後押しとしてしっかりと国産材を訴求していくことが大事なのだと思う。

一見ばらまきにも近いのかもしれないが、追い風が吹く時にこそ、うまく活用していかなければいけない。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
沖縄のエコツーリズムと林業

先月は沖縄での講演依頼もあり、3泊4日で沖縄へ行っておりました。

空いた時間に案内をしていただいたのは、やはり沖縄の山林です。
沖縄は文化的には木造建築が主体の文化ではあったのですが、戦後以降、木材が少なくなったことや台風などに対する強度面でコンクリートへの信仰が高いことから木造の住宅はかなり少なくなっています。

そのような沖縄でも北部国頭村にはやんばるの森を中心とする山林があります。

照葉樹林が中心の山林なのですが、あまり高い山林がなく広大な森が広がっています。
植物としてはスダジイというシイの木が75%となっております。

その森を活かして1997年から地元の方を中心にツーリズムの任意団体を立ち上げ
2004年にはNPO法人を設立して地域に根差したツーリズムを続けております。

国頭ツーリズム協会
http://kuta-okinawa.org/

具体的な活動としては
ヾ超調査
モニタリングや環境調査、やんばるクイナのロードキル調査

環境教育
小中高生などに対する教育

人材育成
ガイドの養成

ぅ┘灰張◆宍擇咯霾麋信
国頭の森を中心としたツアー

ゥ僉璽肇福璽轡奪
プラン策定など

などを実施しております。

また国頭村では村独自の森林のゾーニングを設定しており、
村単独では日本初の試みということです。

制限する観光により自然を守りながら、かつ最大限に収益性を高めていくという
考え方にはとてもこれから大事な視点だと思います。

エコーツーリズムや地域づくりを考える上でのプロセスは

…敢頃有∧歔刈有再生⇒て短塞奮発⇒ゴ儻
というようなプロセスで考えていかなければいけないということです。

確かに色々な地域で観光振興や特産品開発をやっていますが、 銑のプロセスが
抜けており、自分たちの文化もしっかりと把握しないままに進めているケースが多いように
思います。そのような意味でも、このプロセスは大事な考え方です。




エコツーリズムも修学旅行生などを中心として年間数万人の方が入っているようです。
環境に配慮をしながら、取り組んでいるツーリズムが印象的でした。

樹高の高い道を歩く爽快感はやはり格別でした。


私が訪問した時期には見頃の植物もありました。


最後はあいにくの天気でしたが、学びの多いツアーでした。

そのあとは無理を言って、沖縄の国頭村森林組合を尋ねました。


沖縄の林業は、シイ類を中心としてパルプを生産する林業とリュウキュウマツを中心と
して建築材料の生産を中心とする林業の2種類があります。
上の写真は建築材料などに多い、リュウキュウマツです。ニュージーランドなどのパイン
に近い印象を受けました。


こちらがパルプ用の原木です。チップにされ本土に送るようです。


こちらはリュウキュウマツですね。写真ではわかりにくいのですが、
年輪が大きく生育が早いことがわかります。




家の構造材などは生産しておらず、内装材や一枚板などの生産が多いとの
ことでした。また売り先としては家具製作所などへの販売も多いということです。

地域が変われば、やり方も変わります。

以前、沖縄の方を高知に招き、林業から家づくりなどの流れを見てもらいました。

その時の反応も非常に良く、沖縄の林業も木を使う文化をしっかりと構築できれば、
伸びていく可能性もあるのではと感じました。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 12:43 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
天然林の森を歩く

今月初めは高知県北部にある白髪山の天然ヒノキ林の散策に行ってきました。

白髪山は高知県でも有数の天然材が取れる山林で、過去には大阪城の築城にも使われた
上質の桧材があります。江戸時代には土佐藩の莫大な借金を返済したこともあります。


下道から歩いて1時間ほど。これは600年を超える天然桧になります。
このような桧は根下がり桧と呼ばれます。これは親の木に眼が出てそのまま
大きくなると、親の木は最後は腐り、空洞が空くようになるものです。
天然の更新の場合はこのような条件が重ならないと更新しないようです。


これも立派な桧ですね。寒い地域なので年輪も密で良質の材が取れます。


別の角度から見ると圧巻の木もあります。


そしてこの山の面白さは頂上に行くと植物の分布が変わることです。
地層が変わることにより、変化するようなのですが、この森は植物の数も
多く、日本の原生林に近い植生だということです。本当に気持ちの良い空間でした。


記念撮影

人と比較すると、その雄大さがわかります。普段は人工林にかかわることが
多いのですが、改めて天然林の雄大さを感じることができました。

このような森も高知の宝だと思いますし、守り伝えていかなければいけないと
感じました。








| 井上 将太 | 林業、建築 | 13:32 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
絶滅危惧種

先日、木材の業界で私の師匠(勝手に思っているが)から連絡があった。

その方はこの業界では非常に先進的な取り組みをしているが、仕事を見ていても
非常にシンプルで当たり前のことを当たり前にやられている。

ただこのことが非常に素晴らしいし、よくイノベーションなど、カタカナ文字で表現しなくても
わかりやすく説明できる仕事だと思う。

その方とのお話の中でこの業界のお話があった。
その方いわく

師匠「井上くん、この業界(木材・建築)は既に絶滅危惧種やで」

師匠「この先、需要もないし、このままなら絶滅してしまう。リストにのっている業界やで」

確かにマクロでみると住宅着工数の話や家の建て方の変化など暗い話が多いのは当たり前のことである・絶滅危惧種と言われると納得。

井上「そうすれば、どのように生き残れば良いのですか・」

師匠「方法は3つある。一つ目はあなたにしかできないonly oneをもつこと。生き残りの武器を磨かなければいけないが、あなたにしかできない武器を持つこと。しかもこれを徹底する。」

師匠「二つ目は突然変異を起こすこと。時代に対応するために、変化についていくことが大事。まぁ企業で言うと商品開発に徹するということかな。」

師匠「三つ目はエイリアンと組むこと。映画でもエイリアンと組むことは考えんやろ。これが大事。企業なら全く関係ない異業種と組みということか。」


「only one」

「突然変異」

「エイリアン」

とても面白く、しかし本質的なことを教えていただいた。
確かにその方のビジネスはこの3点を当たり前のようにやっている。

将来が暗いというよりも、自らを磨き変化を受入れ友を探せということか。

このようなことをさらっと教えてくださる師匠に感謝である。

| 井上 将太 | 林業、建築 | 18:01 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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