日経ビジネスの今月号の特集のテーマは さらば食卓信仰。家族全員で食べる食卓が減り、外食やデリバリーなど食の外注化が進むというものである。
ある調査によれば家族全員で揃う食事の割合は全体の食事回数を分母とすると約30%であるというデータもある。
個食化が進んでいることわかる。
また最近はお惣菜やレトルト製品、カット野菜などなるべく労力を外注する商品も良くスーパーなどで見かける。プロセスを省き、手間暇を外注することは商品サービスにおいて、当たり前のこととなっている。
私の関わる住宅産業でも同様のことがあげられる。スマート住宅という言葉があるように、例えば鍵の開け閉めやエアコンのオンオフなどももはや鍵穴やスイッチは必要なく、スマートフォンなどで遠隔で操作できるのだ。
確かに豊かな生活や便利な生活は大事なことなのだし、企業のサービスも発展させなければ、いけないのであるが、さすがに行き過ぎ感はいなめないような気がする。
生活の便利さが向上することによって、人間の能力や五感がどんどん劣化しているのではないかと思う。
またプロセスが排除され、誰がどこでどのように作られているのかも全く見えない製品も数多く作られているのが現実である。
手軽な買い物。このような流れが加速しているとその対極にある流れは必ず光があたる。
そのキーワードは意思のある買い物ではないかと思う。
商品の作り手、作り方、作る期間などを理解し、購入すること。
その商品の本質的な価値を理解して購入すること。
商品を購入することにより、新たな人間関係ができること。
など意思のある買い物をいかに伝えていけるかが、とても大事な要素になるのではないかと思う。
この流れはある意味、私たち平成の少し前に生まれた世代よりも次の世代に大きく通用する考えだと思う。
今から種まきをして行くことが、大事だと感じる。