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最近はIT関連の事業を展開されている方や最先端のモノづくりを展開されている方とご縁ができている。先日も衝撃的だったのは3Dプリンターを使い、個人向け(BtoC)の商品の販売を展開している会社でプロジェクトマネージャーをしていた方と出会った。3Dプリンターとは通常の紙に印刷をするプリンターとは違い、立体のソフトなどを使い、形を作り、そのままのプロダクトを作り出してしまうというものである。積層造形法とも呼ばれ、樹脂などを溶かし、形を作るものや粉末のものを層にして形づくるものがあるらしい。商品開発などに対して試作品を安く作ったりするなど、工業関係では広く使われてきている技術であるが、これを個人向けにも展開をしているということであった。HPを見ていただけるとわかりやすいのではあるが、自分がデザインをしたものをそのままの形で作り出し提供しているのである。インターカルチャーHPhttp://inter-culture.jp/Create/create.htmlこれはモノづくりの概念を根本から変えてしまうものであり、非常に面白い。高度経済成長期はとにかく必要性があり、実用的なモノを作れば売れる。つまり製造者中心のプロダクトアウトという考え方で良かった。その後は、様々な価値を持つ多様な社会に移り変わり、その多様性をマーケットとして捉え、ターゲット層を絞り、セグメントを行うマーケットインという考え方へとモノづくりは移っていく。だからこそ同一的な市場を読みとくセンスがマーケッターであった。しかしこの3Dプリンターに代表される技術は個人の欲しいものをそのまま作るということである。つまり造語ではあるが「パーソンイン」とも言えるのではないかと思う。今はプリンターも高価なために、まだまだこの市場は高価なものであるが、のちのちはコストも落ちていくのではないかと思う。あなただけの商品、あなただけのサービスが価値となる。もちろん従来のようにこだわらない市場もあるだろうが、コストが安くなれば爆発的に伸びる可能性がある。車のデザインがある程度、個人で選べたり、プロダクトの概念がいかに機械とシステムを合わせ消費者に販売していくのか。というような考え方に変わるのではないかと思う。また木材加工にしても同じようなことが言えるのではないか。今の木材のプロダクトの大半は諸外国も含めて競合相手の多い、家の構造材・内装材。ここから抜け出すので、「パーソンイン」の世界を作っていくしかないのではないかと思う。3Dプリンターは木材版はないが、切削造形法と言われるNCルーターのようなものは対応可能ではないかと思う。であれば、いかに個人のニーズを拾いながら、また個人のデザイナーと組みながら商品展開をしていくかではないかと思う。また木材が自然素材であり、節の場所や色合い、木目などが一つ一つ違う所も、この特性に当てはまる部分でもある。やはり消費者の感性で良いと思うものをもう少し重要にしていかなければならない。将来このような分野でも仕事をしてみたいと強く思った1日であった。
先月は生まれて初めて日本三大美林の秋田杉の天然林と秋田の林産業の勉強に行っておりました。日本三大美林とは、木曽ヒノキ、青森ヒバ、秋田スギの3地域のことで、天然に元々自生していたもので日本でも見た目も、木材も綺麗ということから名づけられています。実は恥ずかしながら、三大美林では今回の秋田スギの見学が初めてなのですが、非常に歴史のある学びの深い視察となりました。秋田スギの天然林秋田スギは天然林のものを天杉。人工林のものを造杉というらしく、造杉の方も苗は天杉の苗を使っているようです。天杉は北部の白神山地近くの自生しているものです。こう見ると天杉の大きさがわかると思いますが、大体200年を越えている木が何本も自生しております。秋田は国有林が多く、このような大木も国有林のものということです。この写真は日本一高い天然杉。高すぎて樹高の写真が取れずにすみません。。。材積は1本で40㎥ということで一つで家2軒分の木材量があります。立派。この天杉を加工する工場も見学させていただきました。写真で見るとわかりにくいですが。。。手と大きさを比較すると立派なものです。この丸太を丁寧に加工していきます。今では大型の機械が主流となってきていますがまさに職人芸とも言える加工でした。この丸太を加工すると綺麗な板が取れます。非常に目も色合いも綺麗ですね。この一本から柱も取ります。高齢木の木はとても綺麗ですね。この秋田杉は元々は天井板などから始まり、いわゆる役物という節のない高級材を加工していました。ただ今は住宅の形も変わり、柱を見せなくなったり、また秋田スギが市場に出る量も規制がかかり、来年度からは伐採停止になるということも言われております。時代と共に失われる文化と技術があります。それを考えると感慨深い気持ちにもなりました。たまたま見つけた高知のデザイナーの梅原真さんの「あきたびじょん」のポスター。あきたびじょんもそうでしょうが、改めて、「残すモノ」「変えるモノ」「新しく作るモノ」の3つを捉えて、ビジョンを作り、今をしっかりと生きていかなければいけないと感じさせていただきました。
最近は色々な地域にお邪魔をさせていただくことがあるが、その中でよく聞く言葉がある。それは「○○町のファンづくり」という言葉である。地域にはたくさん良いものがあって、それを活かした商品やサービスを作り出すことはとても大事なことだとは思う。そして地域の資源を磨いていかなければ、他の地域との差別化もできないということも理解できる。ただこの「ファンづくり」というものは、とてもふわっとした言葉なので、非常に気を付けた方が良いと思う。まずこの言葉を聞くと、考えなければいけないのは、自分はどこの地域のファンであるかということである。他の地域のファンではないのに、自分の地域にだけはファンになってもらいたい。これではうまくいくはずもない。もし別の町によく行くということであれば、自分がその町のどのような時にどのように活用しているかということを考えるべきであると思う。例えば、毎年5人の方のお歳暮には○○町の果物を送る。家族旅行では年一回○○町の温泉に行く。などファンということは、具体的にどのぐらいの頻度でアクションを起こしてくれる方ということになると思う。アイドルに例えるとわかりやすいが、AKBのファンであれば、秋葉原に年10回は行く。新発売のCDは必ず保存用と聴く用と2枚買うなど、どのぐらいの頻度で具体的なアクションを起こしてくれるということがポイントであると思う。また近年ではプロボノ(自らのスキルを活かした貢献活動)のように外部の方と事業のパートナーとして連携していくことも可能ではある。これもファンということになるのであろう。最近、地域づくりにおいて「言葉」をうまく噛み砕いて交通整理をしていくこと。これは非常に大事なのではないかと感じる。この「ファンづくり」のように漠然としたイメージから行動が移されることも少なくはない。そんな所には自分の役割があるのではないかと感じる。